浄土真宗 本願寺派
東林寺門龍雲山 東林寺

〒633−0007 奈良県桜井市外山 1182  TEL 0744(42)5680

東林寺は、奈良教区三山組27ヶ寺に属し、詳しい寺史は無いものの、ご本尊である阿弥陀様には享保年間12月22日建立の文字があり、400年ほどの歴史があるお寺である。そのような歴史あるお寺だという事実を知らない外山区民も多いと言う。初代住職は【順教】という方で、途中住職不在の時期もあったが、現在は10代目の住職により、守られている。外山区は仏教伝来の地と、ご紹介した通り仏教には縁の深い地域ではあるが、当初仏教は位の高い上流の人々の間で広まった。そこで、宗祖である、親鸞聖人が、庶民の心のよりどころとして説かれたのが浄土真宗である。東林寺は、その教えのとおりに、手造り感たっぷりで温かく、親しみやすいお寺である。
東林寺内陣 扉を開けるとまず、目に飛び込んでくるのが、煌びやかな本堂である。本堂上座の端から端までが、金色に輝いている。少し年季の入った木の障子戸を開けるまでは、想像もつかない、それは別世界である。初めて見る人は皆一様に「ワー!」と声を上げるというのもうなづける。当の私がそうであった。阿弥陀様が安置されている上座を『内陣』と言う。極楽浄土を表している。これを見ても、昔、庶民らが、自分が死んだ後の世界がこの様に煌びやかで平等で、安らかな世界である事を願った様子が伺える。
そして、下座を『外陣』と呼ぶ。何時ごろから、この様な立派な形態になったかは、定かではないが、400年も昔から、ここでこうして外山区民を見守る、阿弥陀様である。
阿弥陀様 東林寺の阿弥陀様は、お顔の前に華を表す飾りがある。これは、華鬘(けまん)と言って、12種類ある供華(くげ)の一種である。
供華とは、お花をお供えすると言う意味である。
蓮如上人 親鸞聖人 ご本尊の向かって右側に、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が祀られ、左側には8代目の蓮如上人が祀られている。
格天井の絵 ふと、上を見上げると天井に綺麗な絵が描かれていた。そしてその絵は、本堂の壁や、内陣部分にも広がっており、聞くと、住職がご自分で描かれたものであった。東林寺の、本堂の天井のように格子状に区切られた天井を『格天井(ごうてんじょう)』と呼ぶそうだが、その一升、一升に色鮮やかに、たくさんの種類の花の絵柄が描かれている。また、天井近くの壁部分には、天女など、こちらも色彩豊に描かれている。頭を天井に向けたまま、ぐるりと回ってみた。ほんとに、綺麗である。
東林寺門 東林寺門欄間
東林寺の外門。帰り際この写真を撮っていると、「この欄間も住職の手造りなんですよ。」とおっしゃった。天井の絵といい、この欄間といい、住職の東林寺に寄せる想いを強く感じ、なんとも素朴で、温かく親しみやすい、お寺である。