宝生流発祥の地の碑宝生流発祥地の碑

宗像神社の境内入り口に向かって左に、「能楽宝生流発祥の地の碑」が建っている。桜井市は推古朝の時、聖徳太子がわが国で始めて国立の演劇場として、土舞台をつくり、子供たちに伎楽舞(くれのうたまい)を習わしめたという伝承がある地である。14世紀の中ごろ盛んだった、大和猿楽に観阿弥という天才があらわれた。大和猿楽は円満井の金春座・結崎の観世座・坂戸の金剛座・そして外山の宝生座が栄えていた。宝生座は、観阿弥の子の蓮阿弥が流祖とされている。17世宗家宝生九郎により建てられた石碑は、約2メートルにもなり、裏面には「昭和三十六年八月一〇日建之」とある。能楽ゆかりの地が多い市内においても、石碑があるのは、当地だけである。

平成29年9月9日 宝生流 第20代宗家 による奉納能公演が開催されました。

平成29年度の国民文化祭の開催地が奈良県に決定したことにより、県内各地でイベントが行われる中、大和猿楽四座【宝生座(外山)・観世座(結崎)・金春座(奈良)・金剛座(斑鳩)】のそれぞれの発祥地で、それぞれの宗家が、里帰り公演を開催する事となりました。それを受け、桜井市民会館での能公演が決定したわけですが、それに先立ち宝生流発祥地の碑が建立されている、外山区宗像神社にて能の奉納が執り行われました。
宝生流発祥地の碑の除幕式が行われたのが、昭和38年8月10日。宗家による能の奉納はそれ以来となります。
境内には、区民の皆様はもちろんの事、宝生流愛好家の方々、市内外から沢山の方々が、56年ぶりとなる宗家の里帰り公演を一目見ようと参列されました。
 宝生和英 第20代宝生流宗家による『翁』

辰巳満次郎 シテ方宝生流関西統括による『高砂』