鳥見山裾野の彩雲ひろば

文字通り、鳥見山の裾野。ちょうど、桜井ゴルフセンターの南、バックネットに隣接して、彩雲ひろばがあります。広場という名の通り、広々とした土地に色々な樹木や季節の花が植えられており、さまざまな作物が栽培されています。全て手作りの木製のテーブルや椅子が、てんてんと可愛らしく並んでおり、ブロックを積み上げて造った囲炉裏まで・・・バーベキューなんかも出来そうです。この彩雲ひろばにあるのは山や小川や土や畑といった大自然のみ。そして、畑作業に必要な鍬や穴掘り用のつるはし。他には何も無いのです。ですが、ここには人々が集い、楽しみ、癒されて帰っていくのです。真後ろには鳥見山の深々とした緑が、そして国道よりも、少し高台の真正面には、桜井市の町並みが広がります。夕方、ここから見える景色が、この彩雲ひろばの名前の由来だそうです。雲が夕焼けで朱色に染まり、少し薄暗くなった、辺りの景色と相俟って、それは見事な光景なのだそうです。こんな素敵な場所を提供して下さるのが、外山区にお住まいでこの土地の持ち主でもあります、新井さんとおっしゃる方です。彩雲ひろばのルールを守って下さる方ならどなたでも、新井さんの許可を頂いて使わせていただく事が出来ます。一度、夕方の彩雲を見てみたいものですね。

それでは、ここで彩雲ひろばルール
   その1   危険な場所(池等)及び他人の敷地に入らない。    
その2   掘った穴は、必ず埋める。その3  自然を壊さない。(ゴミ処理等含みます)
その4  彩雲ひろばに遊びに来たら、彩雲日記を書こう!但し、『楽しかった。』以外の言葉で。
彩雲日記は、彩雲ひろばに常備!


では、私もこの場で彩雲日記を書いてみたいと思います。もちろん、『楽しかった。』以外の言葉で。私が彩雲ひろばを訪れたのは、3月17日。とても天気の良い日でした。この日は、城島小学校の3・4・5年生の子供達が遊びに来ているとの事で、宗像会館で事務の仕事をしていた私が突然の電話で緊急出動したので無理も無いのですが、ジャケットにタイトスカート、ハイヒールという、相当場違いな出で立ちでこの場に到着した時は、みんな唖然とした事でしょう。でも、ハイヒールで、カメラ片手に畑の中を走り回りましたよっ。
子供達の麦踏の様子
まず初めの1枚は、「麦踏み」の様子。そう短くは無い人生を歩んできている私ですが、「麦踏み」なる光景を見たのは初めてでした。最初、新井さんがお手本を見せて下さったのですが、衝撃でした。何故って、15cm位にまで育った、青々とした若芽を長靴でドカドカっと踏んでいかれたのです。もったいなーい!と言うか、かわいそーと言うか・・・でも、以前区長さんに是非にと薦められた、「はだしのゲン」の話を思い出して、「麦は踏まれて強くなる。」これか〜!そういう事なのか〜!子供達も、「踏んでもいいの〜?」と言いながら、踏んでいました。
子供達集合 種まき とかげ冬眠中立て札 蛙冬眠中立て札
子供達は、自ら畑を耕して、種を蒔きました。芽が出るのが楽しみだね〜。 とかげと、蛙の冬眠中の立て札発見!あともう少しそっとしておいて・・・おやすみzzz・・・
竹の手造りホース 鳥見山からの山水。竹をホース代わりに、これも手造り。そこから絶え間なく流れ出る山水は、冷たくて気持ちが良い。
彩雲日記執筆中 最後には、やっぱり!彩雲ひろばルールその4!彩雲日記を書いています。そして、ノートには書ききれない程の体験や、想いを、体で感じ心に残していくのだろうなと思いながら、写真を撮り終えました。

小さい子から学年の違う子、入り混じって、遊んでいました。遊具もゲームも無い場所で。土の上に寝そべる子、深い穴を一生懸命に掘っている子、鍬を持って土いじりをする子、皆銘々に好きな事をして、思いっきり体を動かしていました。だけど誰も蛙ととかげの冬眠中の立て札の下を掘り返したりはしないのです。知らず知らずのうちに大きな子は小さい子を気にかけ、自分達が種を蒔いた作物の水やりをかって出てくれたり。こうして、優しい気持ちや、いたわりの気持ちを学んでいくんだと思いました。ルールを守ってこそある自由を、思う存分楽しんでいるように思えました。少し離れた場所でココアを飲みながら、眩しそうに子供達を見つめる新井さんが、こう、おっしゃいました。「この子達が、もし心がしんどくなった時、心を無にしてここで遊んだ事や、ここで遊んだ仲間を思い出してくれたら・・・そんな場所にしたい。」と・・・すごく印象に残る言葉でした。「菜の花って、香りが無い。だけど、摘むとすごくいい香りがする。その菜の花の香りを知らない子供達に嗅がせてあげたい。」と・・・今日出会った子供達と同年代の子供を持つ私は、大いに反省です。普段子供に、危ないだとか、服が汚れるだとか言っては、せせこましい場所に子供を追いやってきたのではないかな・・事実、大人である私が、今こんなに楽しいのだから・・・昨今、テレビや紙面を飛び交う、『病んだ心』とか、『キレル』等とは、無縁の子供達のキラキラした笑顔が、ここにはありました。
それから、もう一つ学んだ事。それは、会館にスニーカー1足と、Gパン1本は、常備しておこう!という事です。いつでも、緊急出動できる様に!
それでは、また・・・

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