匠の業


丸太を荒挽き角材に製材する様子

当社が製材界の匠と呼ばれる由縁、その業やこだわりを紹介します。


選眼(目利き)

よく手入れされた材 吉野檜は山から伐採された後、県内の各原木市場に出荷・配列され、それらを我々製材業者が競りで買い付けます。 その際最も重要になるのが、丸太を観る目、すなわち選眼(目利き)なのです。

 テレビなどでマグロの仲買人が尾の身を観て、トロの脂の差し具合などを見極めているのをご覧になられるかと思いますが、原木買い付けの世界も同様で、丸太の株や末口の年輪から、微妙な成長の様子などを観てとり、枝打ちの有無や、その時期を推測したり、成長過程における欠陥の有無、色艶の良否などを判断します。 丸太の外見からは曲がりやキズの有無などを判断し、それらを総合して、製材後の製品の姿を推測するのです。

 当社は市日前日に必ず下見に行き、平生より選眼の目をたえず磨く事で、丸太の中身を的確に判断し、吉野檜の魅力を存分に発揮できる特選素材(丸太)のみを買い付け製材しております。








木取り(製材)

木取り思案中・・・ 買い付けた丸太は皮をむき、工場で製材されます。 その際いかに無駄なく一本の丸太から良い製品を製材するか、個々の丸太の持つ魅力を存分に引き出し製材できているか、それを見据え、製材するのが木取りなのです。

 丸太の芯を軸に側材を均等にわりふりし、杢目が真ん中にしっかりのった柱材を製材したり、丸太のなれに沿って製材し、柾目がピンと真っ直ぐに通った造作材を挽いたりと、その際の木取りひとつで製品の良否が大きく左右されるのです。

 一般的に業界では、『仕入れする者』『製材する者』といったようにそれぞれ工場内で専業化されているのですが、当社では、『仕入れ』『下見』をする者自身が、『製材』『木取り』を共にする事により、双方の持つ業を組み合わせ、一本の丸太に二度・三度と立ち合う事で、より丸太の中身を正確に把握し製材する事ができ、当社独自の繊細な匠の木取りを実現し、魅力あふれるこだわり抜かれた銘品を創りだす事ができるのです。